Tue.

三月の潮風寒き


三月の潮風寒きキャンパスを入試の吾子と黙し歩みぬ


ふりむかず子はキャンパスに消えゆきて受験の長き時はじまりぬ


松原の彼方に青き日本海に祈りつつ受験終る子を待つ


人混みの中押されては動きつつ合格者名簿に子の名を探す



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00:34 | 息子 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sat.

学ぶ地へ


折々に思ひつきては云ひきかす家出づる日の迫りくる子に


学ぶ地へ子は発ちゆきぬ汚れたる受験参考書部屋に残して


これは、私の兄のことを詠んだものです。
私よりずっと勉強の出来た兄は、受験した大学すべて合格しました。
そのうちの一つが地元の新潟大学でしたが、兄が選んだのは東京の大学でした。
作者38歳の時の作品です。

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05:49 | 息子 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Wed.

中学に入りたる吾子は


英単語唱ふが聞こゆ中学に入りたる吾子は気負ひゐるらし


行進すブラスバンドの前列に吾子はラッパを胸そらせ持つ


山脈のめぐるグラウンド行進の楽はこだまと輪唱をなす


兄の中学校時代です。
もう38年も前の話で、当時母は32歳でした。
思えばとても若い母でした。

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17:52 | 息子 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sat.

子を思ひてをれば


この一夜連絡線に眠る子を思ひてをれば夫
(つま)が云ひ出づ


網走
(あばしり))の海に退く波追ひかけて拾ひし貝と子がとりいだす


これは兄が17歳の時の作品なので、修学旅行のことだったのでしょう。

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20:38 | 息子 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Thu.

子が伴ひてくるひとを待つ


昼暗く雪降りしきる日曜日子は会ふ女性
(ひと)のありや出でゆく


春の雪降りて積もらぬこの夕べ子が伴ひてくる女性
(ひと)を待つ


(季節を逆戻りしてしまいました。)
兄のことを詠んだものです。母が54歳の時でした。

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04:51 | 息子 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑