Thu.

生まれて一日の初孫に会ふ


すこやかに育てよかしとガラス越しに生まれて一日
(ひとひ)の初孫に会ふ


みどり児は光見ゆるや明るきに向くれば笑みてまた眠りたり


動くあり泣くあり並ぶみどり児の中のわが孫無心に眠る


母が55歳の10月のことでした。
私は東京の病院で出産したのですが、主人が母に連絡を入れ、
その日のうちに母が一目だけでもと上京してくれました。

にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ

ご覧頂きましてありがとうございます。

FC2ブログの短歌ランキングに登録してみました。
20:33 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sun.

いと小さき口元に


みどり児は生まれて五十一日かき抱き宮参りする村の鎮守に


いと小さき口元に乳を欲る仕種みせて児は泣く四肢ふんばりて


兄夫婦のところも無事に赤ちゃんが生まれました。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ

ご覧頂きましてありがとうございます。
03:04 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Mon.

夕づく窓にその母を待つ


左右の手結び遊ぶと便りにて生まれて四月
(よつき)の児の様伝え来


私は時々母に手紙で子供の様子を知らせていました。



眠る子は腕に重たしゆすり上げ夕づく窓にその母を待つ


幼児
(おさなご)の忘れ行きたるオルゴール手に取りし時一節(ひとふし)鳴りぬ


この歌は、義姉の子を歌ったものです。
義姉は1年間の産休の後仕事を再開しました。
当時兄夫婦は実家の近くに住んでいたので、
日中は母が赤ちゃんを預かっていました。


母が56歳の時の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ

ご覧頂きましてありがとうございます。
20:33 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Thu.

人見知り覚えし孫は


人見知り覚えし孫は祖母われをまじまじと見て暫
(しばら)く馴(な)れず


子供が1才になる頃だったと思います。子供をつれて実家に行ったときのことです。
人一倍人見知りの強い子だったので、
家族といえど離れ住んでいる両親に馴れるまで、時間がかかりました。


乳飲み児は湿りて重き紙襁褓
(おむつ)と乳のにほひを残し帰りぬ


この孫の記憶に如何に残るやとわが言動を思ふことあり



にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ

ご覧頂きましてありがとうございます。
14:46 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sun.

会ふ度に


会ふ度に児
(こ)の面差(おもざ)しは新しく花見て今日は高き声上ぐ


会ふ度に児の面差しは新しく今日は初めてうまうまと言ふ


会ふ度に児の面差しは新しくパチパチと云へば手を打ち応ふ



頭の五七五が同じ句が続きました。母が56歳の頃の作品です。
兄夫婦の赤ちゃんを詠ったものです。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ

ご覧頂きましてありがとうございます。

ブログランキングに参加しています。
応援クリックを頂けると、とっても嬉しいです。
クリックは一日一回有効です。
06:05 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Fri.

離れ住む


離れ住む孫らの写真におはようと声かけわれの一日はじまる


前歯二本漸
(やうや)く生えし九ヵ月児は赤ちゃんせんべい音立てて食ぶ



母56歳の時の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ

ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
06:04 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sun.

テーブルの縁を伝ひて


十ヶ月の児
(こ)がいつの間に覚えしか車の窓にバイバイをする


すっぽりとベビーシートに抱かれて児も一人前に車内に座る


テーブルの縁を伝ひて歩む児が時に振り向き我にほほえむ



母56歳の時の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ

ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
22:56 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Thu.

よき実を選りて


(つま)の靴二十七センチが孫の靴十三センチと並ぶ玄関


梅雨に入りて畑の苺の傷
(いた)み易しよき実を選(よ)りて児に持ち帰る



母は日中兄の子を預かっていました。
孫のために傷みの少ない苺を選んで摘んできたのですね。
母57歳の時の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
00:00 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Tue.

負ひて歌えば


絶え間なく欅
(けやき)の花の散る木陰児(こ)のブランコに手を添へ揺する


吾がうたふ童謡いくつか児は覚え負ひて歌えば首振りて和す


眠たくて吾が胸に顔を寄する児のやはらかき髪指に梳
(す)きやる



母は兄の子を日中預かっていました。
57歳の時の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
06:00 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Thu.

習ひ守りて


一才となりし児
(こ)に餅背負はする習ひ守りて初孫祝ふ


(つつが)なく満一才となりし児よ一升餅負ひよろよろと立つ


やおら立ち両手広げて歩みつつ声たて笑ふ一才の児は



兄の子の1歳を祝った歌です。兄のところも私のところも、ほぼ同じ頃に子供が生まれたのですが、二人の孫が生まれた平成5年秋以降は、母の短歌の数がぐっと増えました。「自分の子よりもかわいいと思う」孫だったそうです(笑)。母が56〜57歳の時の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
05:40 | | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sat.

遊びの種も


一才の児
(こ)と家ごもる雨の日は遊びの種も出でつくしたり


やおら立ち両手に調子とりて来る一才の児を胸に受け止む



前回掲載の歌と同時期の作品で、兄の子を歌ったものです。



にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
07:34 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sun.

いつものやうに


(つま)の国ドイツに住むと発つ娘元気でと言ふいつものやうに


(こ)の電話に入りて聞こゆる幼児(をさなご)のまはらぬ口にハイと言ふ声


(と)つ国に住むと成田を発つ孫がバイバイと言ふいつものやうに


父の国ドイツに住むと発つ孫の声を電話に耳すませ聞く



私の夫はドイツ人で、娘が1才半の頃に東京からドイツに移ることになりました。
成田空港から電話した時のことです。母が57歳の時の作品です。



にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
07:58 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Fri.

児ははじめての夏を堪へゐる


膝元に這
(は)ひて寄り来し児(こ)を抱けばその小さき背も汗ばみゐたり


ことさらに暑きこの夏背の汗を拭きやれど児はむずかりやまず


柔肌に汗疹
(あせも)うっすら浮かばせて児ははじめての夏を堪(た)へゐる


母が日中預かっていた兄夫婦の子を詠んだ作品です。
母は56歳、兄の子は10ヵ月の頃でした。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
17:32 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Fri.

暗記するほど

上の子が1歳半を過ぎた頃に、主人の仕事の関係で東京からドイツに移ることになりました。
下の子は、ドイツで生まれました。
 

外国に生まれし未だ見ぬ孫の見目
(みめ)日毎夜毎に思ひて眠る


暗記するほど眺めをり外国に生まれて会ひ得ぬ孫の写真を




外国に生まれて未だ見ぬ孫の顔折節
(をりふし)思ひ一年過ぎぬ



母58歳の頃の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
23:55 | | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sun.

ハッピーバースディ


(こ)の傍(そば)に幼孫ゐて何か言ふ声重なりぬ国際電話に


外国に育てば孫は二歳にてわが知らぬ言葉片言にいふ


私がドイツから電話をかけた時のことですね。


たどたどと二歳児歌ふに声合はせハッピーバースディわれも歌ひぬ


兄の子の2歳を祝った歌です。

母が57、58歳の頃の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
03:03 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Wed.

時にふと


昼寝より目覚めし孫は我がゐるを確かめて又暫
(しばら)く眠る


前髪に風吹き額の出でしとき二歳の孫は夫
(つま)によく似る


時にふと思ふことありこの孫の記憶に残るわれや如何にと



日中預かっていた兄の子を歌ったものです。
母が58歳の頃の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
22:37 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sun.

鳥が忘れて行ったねと


自転車に乗せて走れば喜びて児
(こ)は知る限りの歌うたふなり


桃太郎のはなし終るころ幼児
(をさなご)はすでに眠りぬわが胸元に


一人でも登れると手をふりほどき坂歩き出す児を見守りぬ


道の辺の黒き羽根指し幼児は鳥が忘れて行ったねと言ふ


ゆふぐれは母の帰りを待ちてゐる児が車の音に耳を欹
(そばだ)



母は日中兄の子を預かっていました。
兄の子が2歳半から3歳になる頃の、そして母が58歳の頃の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
20:25 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Tue.

太陽のごとき


太陽のごとき初孫あかんべえもこのごろ覚え三歳となる


母親の叱る口調をそのままに三歳の孫われに言ふなり


(うつむ)きて涙こらふる時もあり三歳の心すでに大人ぶ



前回と同じ頃の作品です。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
05:01 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Mon.

帰国決まれば唯に待ちをり


生まれてより相見ぬ孫の丸き顔ビデオの中に声たて笑ふ


手に触
(ふ)るるものみな口へもちゆく児(こ)
          易々
(やすやす)己が足の指も銜(くは)




われの顔記憶にありや二年会わぬ児は電話にておばあちゃんと言ふ


われの顔記憶にありや二年ぶり帰国する子をただに待ちをり




外国に生まれしまだ見ぬ幼孫帰国決まれば唯に待ちをり



全て母が59歳の時の作品です。後の三句はどれも似た作品ですね。
電話で「おばあちゃん」と言ったのは上の子のほうで、
この時3歳半を過ぎたくらいだったでしょうか。
私達はドイツに2年住んだ後、また東京に戻ることになりました。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
22:32 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Sat.

川にひととき水とたはむる


帰国せし幼児
(をさなご)は日々日本語に馴染むらしわれの言ふも聞き分く


二年ぶり帰国せし児
(こ)と山あひの川に一時(ひととき)水とたはむる



この年の6月に、私達一家はドイツから日本に戻りました。

帰国後に私が二人の子供達を連れて実家を訪れたのは、
7月に1週間ほどと、あとは8月のお盆の頃に1週間ほどだったかと思います。
私が母と最後に会ったのは、そのお盆の時でした。

一句目の「幼児」というのは、私の上の子です。あと2ヶ月で4歳になるという頃でした。
二句目は、母が亡くなってから「毎日歌壇(毎日新聞)」に掲載された句だったように記憶しています。
母59歳の、最後の夏でした。


にほんブログ村  短歌へFC2短歌ランキングへブログランキングへ
ご覧頂きましてありがとうございます。
ブログランキングのどれかにクリック頂けると嬉しいです。
クリックは、一日一回有効です。
00:15 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑