Tue.

晴天の幾日続けば


稲刈ると村人待ちゐし日曜日台風の雨遂
(つひ)に止まざり


湿田に稲を刈りをり結
(ゆ)はふ時田水の散るに笠被りつつ


手刈りをしていたので、稲刈りには何日もかかっていたようです。
順に母58歳、35歳の時の作品です。



晴天の幾日続けば手のかふの荒れ極まりぬ稲刈り時は


稲刈りて荒れし手の内雨降りて一日こもればたちまちに癒ゆ


この二句は、母が32歳の時の作品で、
短歌作品として遺されている中でも最も古いものになります。
「晴天の幾日続けば〜」、私の好きな句です。


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Fri.

稲刈りの最中の一日


たわわにも稗
(ひえ)の実りてわが小田は怠(おこた)りし除草あらはとなりぬ


稗抜くと分け入る稲田刈り取りに未
(ま)だ間のありて蝗(いなご)飛び交ふ




有り余る米とはいへど地干し稲まとめし後の落穂を拾ふ


稲刈りの最中
(さなか)の一日(ひとひ)荒れし手をいたはりこもる雨止まざれば


台風の名残りの雨に倒れ伏す稲田にあまた雀群れゐる




実の入らぬ稲刈り捨つる北国のニュース切なし吾も農なれば


慟哭のごと聞こえをり実の入らぬ稲刈り捨つる機械の音は




穂の出でし稲刈り捨てて収穫を減らさむとする不可思議な世ぞ


稲を刈る小田より見えて列長く遠足の子ら坂登り行く




幾日もかかりて手刈りせし稲をコンバイン来て一日に終ふ


稲刈りて日に干す作業幾日も続けし若き日は懐かしき



稲刈りの歌をまとめてみました。
母32〜58歳の間の作品です(昭和45年〜平成8年)。


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Wed.

夕光に


手にとれば籾
(もみ)平たくて山の田は実らぬままに秋深みゆく


夕光に羽ひかりつつ赤蜻蛉
(とんぼ)稲架解くわれの頭上に群るる


自転車の籠に止まりし赤とんぼと共に走りて畑
(はた)より帰る


わが肩に止まりたるまま赤とんぼ畑より家まで従
(つ)きて来たれり



二句目は母が45歳の時の作品、
他は、母が55〜58歳の時の作品です。


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